この記事は約 3 34 秒で読めます。

先付のお料理から始まり、水物に至るまで、季節の素材や雰囲気を料理で味わうことのできる懐石料理。

最初は少し肩にチカラが入ったかもしれませんが、きっと3品、4品と料理が進むに連れて、料理もさることながら、周りの雰囲気やお部屋にある調度品などにも目がいくことと思います。ここでは、懐石料理店(主に料亭)に行った際に楽しめるポイントをご紹介します。

目次

お店の外観

京都の料亭に行くと、門があって、少しだけでも敷石の小道があって、料亭の玄関がある…というお店をよく目にすると思います。

こうした懐石料亭では、まずお店の外観と、そしてお店の周囲に植えてある木や花々に目を遣ってみましょう。

季節に応じた花々が植えられていたり、中には玄関先に水琴窟があって、とても風流な音を聞くことができる場合もあります。

予約の時間まで少し時間があるならば、玄関先に用意されている毛氈の椅子に腰を掛けて、しばらく店前の緑を眺めると、心が落ち着いてきますよ。さらに、お客様を迎えるに当たり、お店が玄関に打ち水をしていることも多くあります。そうした様子を眺めるのも乙なものです。

お店の周りの風景と、年季のあるお店の外観と、そしてお迎えのための心づくしに触れると、きっとお料理をいただく前に、気持ちの良い状態で席に向かうことができるはずです。

お店の玄関にて

懐石料亭の玄関、またお客様が通る廊下には、開店の前にお香を焚いておくお店が多いと思います。

これも季節によって変えられることが多く、何回か同じお店に通うと、季節ごとの香りが楽しめることでしょう。

また、玄関にはお店の中でも1番豪華に生けられたお花が飾ってあったり、季節に応じた立派な屏風が立ててあったりすることも多いものです。

生けてあるお花の種類が分からない時は、お店の方に聞いてみると恐らく教えてもらえるはずですし、屏風や掛け軸に書いてある字が、何と書いてあるかわからなくても、これはお店の人に聞けば、必ず意味を教えてもらえるはずですよ。

多くは縁起の良い言葉だったり、お店がある土地に縁深い言葉や絵であることが多いようです。

お部屋にある調度品

懐石料亭で個室に通されたら、お料理が出てくるまでの暫くの間、お部屋の調度品を眺めるのも面白いですよ。

床の間に飾ってある掛け軸や、生け花の花器、初めに出してもらうお迎えのお茶の陶器など、見所は満載です。

とくに生けてあるお花については、玄関のお花を見た後で少しこじんまり感じるかもしれませんが、そのお部屋に合うように生けられているものなので、部屋の雰囲気と見比べてみると、きっとしっくりくるはずです。

掛け軸については、月ごとには変わらないかもしれませんが、季節ごと、またイベントでは変わることがあるので、そうした折に再びお店を訪ねると、そうした調度品の変化も楽しめます。

お店によっては、几帳を飾っているところもあり、そこには絢爛な着物生地やアンティークの生地が飾られていたりもするので、そこに目をもっていくのもポイントです。

食事で出される食器

会席もそうなのですが、懐石を名乗る料亭ですと、食事を盛る器にこだわっているお店が多いものです。

器は、料理はもちろんのこと、季節によっても様々に変わるので、気に入った料亭が見つかったら何度も足を運ぶと良いと思いますよ。

少しユニークな形や模様の器でも、料理の盛り付け方1つでとても素晴らしい見栄えがしてくるものです。

料亭で盛り付け方や器の使い方を見ていると、普段の料理でも、盛り付け方に工夫をするようになったり、使う器の種類が増えたりして、生活が豊かになっていきます。

1人暮らしで器がたくさんなくても、盛り付け方を変えれば、普通の食事もぐんと美味しく見えるのです。そうしたことを学ぶ意味でも、懐石料亭で料理の出され方をチェックするのはとても面白いですよ。

ちなみに、料理について「これなんだろう?」というものがあれば、ぜひ遠慮なしにお店のスタッフに聞いてみてください。

食材もさることながら、突っ込んで聞けばおおまかな調理方法や、ちょっとした料理のコツを教えてくれたりしますよ。