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のれんをくぐる前から、様々な部分で趣向を凝らされていることの多い懐石料理店。
日本の「おもてなし」の心を凝縮したような場所・食事ではありますが、その裏側はどのうようになっているのでしょうか?
今回は懐石料理店の裏側をちょっぴり覗いてみます。そのおもてなし技術を毎日に活かして豊かに日々を過ごしてくださいね。
目次
お客様を迎える準備で気を付けていること
香りでおもてなし
大きな料理店ではちょっと機械的な部分もあるかもしれませんが、こじんまりとした懐石料理店では、お客様を迎える30分程度前にはお客様が過ごすエリア(玄関から廊下、部屋の前まで)にお香を焚き始めます。
これが直前でないのは、お香の匂いがきつすぎて料理を楽しめないということを防ぐため。30分もあれば、お香は全て燃えています。
そしてそこにはほのかに残り香が漂うのですね。「あ、良い香りがする」この程度であるのが料理店では大切なことなのですね。
お家でもお客様が来る予定の時間より前に、玄関だけでもお香を焚いておくと、家の匂いもなくなりますし、何より玄関を開けてお客様の第一印象が上がります。
迎える側の「お客様を迎える気持ち」も調いますので、とっても良い時間の始まりになると思いますよ。
お花でおもてなし
懐石料理店では、玄関やお部屋に季節のお花を活けてあることが多いです。
このお花は女将さん自らが活けるお店もありますし、お花の先生が活けているお店もあります。
いずれにせよ、活けてあるお花のおかげで、季節感が一気に高まりますし、部屋の雰囲気も変わります。
家でお花を常に買って飾るのは難しいかもしれませんが、野の花であればできないこともないはず。野の花も飾り方ではとっても美しくなるのですよ。
ポイントは雰囲気のある花器を持っておくこと。備前焼や紫香楽焼の花器は素朴な花にも良く合います。
これらの焼き物の一輪挿しなどがあれば、季節ごとの野の花も立派な「お客様用お花」になります。
懐石料亭でも、料亭の庭に咲いている野の花を花器にこだわって飾ってあることは実はよくあるのです。
要は「おもてなし」の心が大切なわけなので、いかにお客様を迎える心を表せられるか、なんですね。
お茶でおもてなし
懐石料理店ではお客様が到着して、お部屋で料理を待たれる時間にお迎えのお茶として緑茶を出すことがあります。
このお迎えのお茶も地元の提携農家の緑茶だったり、全国の有名茶園のお茶だったりとこだわりがあるお店は多いです。
毎日のお茶はそんなにお高いものでなくても、お客様用や休日用にはちょっと美味しいお茶を用意しておくのもいいですよ。
ペットボトルでも味にこだわったお茶は多くありますが、やっぱり急須で淹れ方を正しくしたお茶は味が全然違います。
お迎えのお茶が美味しいと料理までの時間が少しだけ長くてもゆったりとした気持ちで待ってもらえますよ。
実は頼める?こんなこと
懐石料理店はコースのみで1品をお品書きに書いていないお店も多くあります。
しかし!ランチのコースでちょっと物足りないな~と思った時は「何か1品作ってもらえませんか?」と頼むこともできるのです!
常連になってしまうとそれも結構やりやすくなって、その日に板長さんが仕入れた材料でぱぱっと作ってもらえるものがとっても美味しかったりします。
板長さんはたまに「これはチャレンジで使ってみよう!」と仕入れている材料もあるので、試作品を食べられることもあったり、常連になると美味しいおまけがつくこともありますよ。